オルソケラトロジーで後悔しないためには?
副作用や他の方法との比較

目次
「オルソケラトロジーに興味はあるけれど、後悔したくない」そんな不安を感じていませんか?
夜間に専用レンズを装着することで日中の視力を矯正できるオルソケラトロジーは、
手術不要で可逆性がある注目の治療法です。
しかし、効果や使い勝手には個人差があり、「思っていたのと違った」と感じる人も少なくありません。
この記事では、オルソケラトロジーで後悔する主な理由や、副作用・デメリット、他の視力矯正方法との比較まで、
事前に知っておきたいポイントを詳しく解説します。
オルソケラトロジーで後悔する理由とは?副作用やデメリット

オルソケラトロジーの継続的な管理や体質との相性によっては後悔するケースもあり、
主な理由として「レンズの扱いにくさ」「衛生管理の負担」「効果の個人差」「光のまぶしさ」が挙げられます。
ここでは、オルソケラトロジーで後悔する理由について解説します。
レンズ装着や取り扱いが難しいと感じる
就寝時のレンズ装着に慣れるまで時間がかかる方が多いです。
特に初めてコンタクトレンズを使う子どもの場合、
まつ毛が引っかかったり目が敏感で装用に時間がかかるケースもあります。
寝返りが多い方だと夜中にレンズがずれて角膜を傷つけるリスクもあり、正しい装着方法の習得が必要です。
自分で装用できない年齢の場合は、家族のサポートが必須になります。
また、レンズが目に合わないと角膜に傷がつく可能性があるため、定期的な眼科受診が欠かせません。
レンズケアの手間と衛生管理への負担
毎日の洗浄消毒が面倒に感じる方が多く、
旅行先でも専用ケースや洗浄液を持ち歩く必要があり、怠ると細菌感染の原因になります。
実際に「洗浄が不十分で結膜炎になった」という報告もあり、
特に多忙な方やケアが苦手な方には継続が難しい場合があります。
ケースの管理も重要で「洗面所に置いていたケースにカビが生えてしまった」という事例もあるため、
レンズケースは2つ用意して交互に使い、週に1回煮沸消毒するなどの対策が必要です。
視力改善に時間がかかるケース
効果が現れるまで2週間~1ヶ月かかる場合があり、すぐに結果を求める方には不向きです。
特に近視が強い方や角膜が硬い成人では、矯正効果が弱く「装用しても視力が0.8までしか回復しない」といったケースや治療開始後1ヶ月経っても効果が感じられない可能性もあります。
効果持続時間は個人差が大きく、安定するまで3ヶ月かかる場合もあります。
スポーツ選手や精密作業を行う工場の技術者などの瞬時の視力が必要な職業の方は、
見え方の不安定さがストレスになる可能性があるため注意しましょう。
夜間のハロー・グレア現象による不快感
オルソケラトロジーを使用することで、
「夜間の光がにじんで見える」「車のヘッドライトが異常にまぶしい」といった症状も報告されています。
このような見え方は、「ハロー・グレア現象」と呼ばれ、角膜形状の変化による光の散乱が原因です。
慣れるまで2〜3ヶ月かかる場合もあります。
タクシー運転手など夜間作業が多い職業の方は、症状が仕事に支障をきたす可能性があります。
症状が改善しない場合はレンズの度数調整や治療中止の検討が必要です。
ただし、多くの方は1〜2ヶ月で慣れるため、焦らず経過観察することが推奨されています。
オルソケラトロジーを始める前に知っておくべきこと

後悔しないために、オルソケラトロジーを始める前に知っておくべきことがあります。
ここでは、適応条件やコスト、準備、リスクについて解説します。
適応条件がある
オルソケラトロジーは誰でも受けられるわけではありません。
主な条件としては以下の通りです。
- 年齢6~65歳程度
- 近視-4.00D・乱視-1.50D以内
- 緑内障や網膜疾患などの目の病気やドライアイがない
- 近視・乱視度数に変動がなく、安定している
オルソケラトロジーは、主に軽度から中等度の近視や乱視の方に適した治療法です。
一方で、強度近視や乱視の方には適応外となる場合が多く、低濃度アトロピン治療やICLなどの治療法を検討します。
ただし、角膜の形状や柔軟性、年齢などの条件によっては例外的に治療が可能なこともあるため、
オルソケラトロジーを検討する際には、まず適応検査を受けて医師へ相談しましょう。
検査では角膜形状や視力の安定性などを詳しく確認し、治療可能かどうかを判断します。
継続的なコストがかかる
オルソケラトロジーでは、初期費用に加え、定期的な維持費用が発生します。
オルソケラトロジーの初期費用相場は両眼で15万~20万円程度です。
医療法人慈眼会 武田眼科では、患者様の初期費用負担や「合わなかった場合のリスク」をできるだけ軽減できるよう、
費用を抑えた定額制プランを導入しています。
- 初期費用(最初の3ヶ月間):片目33,000円(税込)/両目66,000円(税込)
- 月額費用(4ヶ月目以降):片目5,500円(税込)/両目11,000円(税込)
- レンズは1年ごとに無料交換(破損・度数変更時は別途費用の場合あり)
- 治療中に必要となる検査・診察は追加料金なし
通常の相場よりも大幅に費用を抑えており、初期費用が高額で治療をためらっていた方にも、気軽にお試しいただけます。
また、保険外診療のため高額になりますが、オルソケラトロジーの費用や通院時の交通費は、医療費控除の対象になります。
医療費控除とは、1年間に家族全体で支払った医療費が10万円を超えた場合に、
所得に応じて税金の控除を受けられる制度です。
治療費や交通費の領収書はしっかりと保管しておき、確定申告の際に医療費控除の申請を行うと良いでしょう。
治療開始前の準備が必要になる
オルソケラトロジーを始める際には、正確な適応検査を行うために事前準備が必要です。
現在コンタクトレンズを使用している場合は、角膜の形状が元に戻るまで一定期間装用を中止する必要があります。
ハードコンタクトレンズの場合は2~3週間、
ソフトコンタクトレンズの場合は3日前から使用を控えて眼鏡の使用を推奨されています。
さらに、就寝時の姿勢も治療効果に影響を与える重要なポイントです。
うつ伏せで寝る習慣がある場合、レンズが瞳の中心からずれる可能性があるため、
仰向けで寝る習慣を身につけることが求められます。
特に子どもの場合は、保護者が装着練習動画などで予習し、レンズ装着のサポートをするとスムーズに進められます。
ハードコンタクトと同じようなリスクがある
オルソケラトロジーは、ハードコンタクトレンズと同様に、
適切なケアを怠ると目にトラブルを引き起こす可能性があります。
主なリスクとして、以下のようなものが挙げられます。
- 角膜感染症:レンズやケースが清潔に保たれていない場合、細菌や真菌、アカントアメーバによる感染症が発生する
- 角膜上皮障害:レンズの装着や取り外し時に角膜の表面が傷ついて発症する
- 巨大乳頭結膜炎:レンズやケースの汚れによるアレルギー反応で、かゆみや充血などの症状が現れる
リスクを回避するためには、毎日のレンズケアを徹底することが不可欠です。
また、定期的な眼科受診により目の状態を確認し、適切な指導を受けることでトラブルを防げます。
オルソケラトロジーのメリット

オルソケラトロジーには、従来の視力矯正方法とは異なるさまざまな利点があります。
ここでは、オルソケラトロジーのメリットについて解説します。
日中裸眼で過ごせる
夜寝る前にレンズを装着するだけで、朝から夕方まで眼鏡やコンタクトが不要になります。
スポーツや水遊びの際に視力矯正器具が邪魔にならないため、アスリートやアウトドア好きの方に好評です。
「部活中に眼鏡がずれる心配がなくなった」という学生の声や、
「マスク生活で眼鏡が曇らないのが快適」という体験談が寄せられています。
効果持続時間には個人差がありますが、安定後は2日に1回の装用で済むケースもあります。
手術不要で可逆性がある
オルソケラトロジーは手術をしなくても近視を矯正できる治療法です。
レーシックのように角膜を削る必要はなく、レンズの力で角膜の形を一時的に変えるだけのため、
もし装用をやめた場合でも、角膜はだいたい2週間で元の状態に戻ります。
「思ったより効果が感じられなかった」「生活スタイルが変わったからやめたい」という場合でも、
後戻りできるのが特徴です。
可逆性のある仕組みのおかげで、「試しに始めてみたけど、途中で中止しても問題なかった」という声もあります。
安心して続けやすく、手術に抵抗がある方や、まずは気軽に試してみたい方にはぴったりの方法です。
近視進行抑制の可能性がある
オルソケラトロジーは、近視の進行を抑える効果が期待されている治療法です。
特に18歳未満の子どもにおいて、近視が進むスピードを遅らせる可能性があるとされています。
レンズによる角膜形状の変化が網膜への光の焦点を調整し、眼軸の伸びを抑制することが理由です。
実際に、日本国内外の研究では、オルソケラトロジーを装用した子どもの多くで眼軸長の伸びが抑えられたというデータが報告されています。
京都府立医科大学の研究『オルソケラトロジーの近視進行抑制効果について』では、単焦点眼鏡と比較すると、
オルソケラトロジーでは約30~50%の近視進行抑制効果が確認されています。
ただし、効果には個人差があるため、定期的な検査や医師の指導を受けながら治療を続けることが重要です。
早い段階で治療を始めることで、将来的な視力低下リスクの低減につながります。
子どもでも治療できる
レーシックは一般的に18歳からが対象なのに対し、
オルソケラトロジーは小学校低学年の6歳程度から利用できる治療法です。
子どもの場合、「体内の水分量が多いため角膜が柔らかく、レンズでの形づけがしやすい」といわれています。
夜間に専用のレンズを装着するだけで日中は裸眼で過ごすため、日常生活への影響も少なく、多くの方に選ばれています。
オルソケラトロジーと他の視力矯正方法との比較

オルソケラトロジー以外にも、視力矯正方法はいくつか存在します。
以下では、オルソケラトロジー、レーシック、低濃度アトロピン点眼、ソフトコンタクトレンズを比較しました。
オルソケラトロジー | レーシック | 低濃度アトロピン点眼 | ソフトコンタクトレンズ | |
対象年齢 | 約6~65歳 | 約18~60歳 | 6~18歳まで | 明確な決まりはなし |
適応範囲 | 軽度~中程度の近視 | 軽度~中程度の近視 | 特に子どもの近視抑制 | 広い範囲 |
手術の必要性 | 不要 | 必要 | 不要 | 不要 |
可逆性 | 有 | 無 | 有 | 有 |
初年度費用 | 15万円~30万円程度 | 20万円~50万円程度 | 約4万円~6万円程度 | 8万4千円程度 |
特徴 |
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オルソケラトロジーは手術をしないため、治療を中止すれば元の状態に戻せる点が魅力です。
一方、レーシックは一度手術を行うと角膜の形状が戻らないため、慎重な検討が必要です。
オルソケラトロジーで後悔しないためには?

目の健康やライフスタイルに合った選択をするためには、
事前にしっかりと準備し、自分に合っているかを見極めることが大切です。
ここでは、オルソケラトロジーで後悔しないために押さえておきたいポイントを解説します。
正しい手順でお手入れを続ける
オルソケラトロジーによるトラブルを防ぐためには、
日常的なレンズの取り扱いやケア方法についてしっかりと理解し、正しい手順でお手入れを続けることが非常に大切です。
特に子どもが使用する場合は、保護者がレンズの管理やお手入れを丁寧に行うようにしましょう。
また、眼科での定期検診は、目に異常が起きていないかをチェックする大事なタイミングのため、
必ず受診するようにしてください。
少しでも目の違和感や異常を感じた場合は、ただちにレンズの使用を中止し、速やかに専門医の診察を受けましょう。
体験治療を試す
実際に「体験治療」を試してみることが非常に重要です。
オルソケラトロジーは寝ている間に装用する特殊なハードコンタクトで、
日中は裸眼で過ごせるというメリットがありますが、装用感や視力の変化には個人差があります。
体験治療では、数日〜数週間レンズを試用し、朝の視力の状態や日常生活での快適さを確認できます。
また、目に違和感がないか、ケアが自分にとって負担にならないかなども事前にチェック可能です。
費用や手間をかけて始めた後に「合わなかった」と後悔しないためにも、
メリット・デメリットを正しく理解し、体験からスタートして自分に適した矯正方法かどうか見極めましょう。
まとめ
オルソケラトロジーで後悔しないためには、自分の目の状態が適応しているかを事前に確認し、
装着やケアの手間・費用・効果の個人差を理解しておくことが大切です。
体験治療や医師との相談を通じて、無理なく続けられるかを見極めましょう。
医療法人慈眼会 武田眼科では、オルソケラトロジー開始前に適応検査を行い、テストレンズで視力が出るか確認します。
その後、ご自宅で1~2日テストレンズを使用し、
再度診察・検査を行い適応を判断するためご自身の目に合うか確認してから治療を始められます。
オルソケラトロジーに興味のある方は、お気軽に 医療法人慈眼会 武田眼科にご相談ください。