白内障手術前の注意点とは?
事前準備・当日の注意点・術後ケアを解説

目次
視力を回復させる白内障手術は、事前準備や当日の注意点を守ることで、よりスムーズな手術が可能になります。
この記事では、手術前に知っておきたい注意点や準備すべきことを詳しく解説します。
術後のケアについても触れていますので、手術に臨むときの参考にしてください。
白内障手術前の注意点

白内障手術を安心して受けるためには、事前準備が重要です。
ここでは、手術前に知っておくべき注意点を4つご紹介します。
医師から指示されたスケジュールで点眼薬を使う
手術前に処方される点眼薬は、感染予防や炎症抑制のために非常に重要です。
指定されたタイミングで使用することで、目の表面や周囲の細菌を減らし、手術時のリスクを抑えます。
特に抗菌作用のある点眼薬は、目の清潔さを保つ役割を果たします。
忙しい日常の中でもスケジュールを守ることが大切です。もし忘れてしまった場合は医師に相談しましょう。
また、点眼薬を使う際には手を清潔にし、正しい方法で行うことも忘れないようにしてください。
コンタクトレンズは早めに外す
白内障手術前には、術前検査で正確なデータを取得し、適切な眼内レンズを選ぶため、
コンタクトレンズの装用を中止する期間が必要です。
特にハードコンタクトレンズは角膜の形状を変える影響が大きいため、
ソフトレンズよりも長い装用中止期間が求められます。
- ソフトコンタクトレンズ:手術の3日以上前から中止
- 乱視用ソフトコンタクトレンズ:1週間以上前から中止
- ハードコンタクトレンズ:2~4週間前から中止
期間を守ることで、検査結果の精度が高まり、手術後の視力改善にもつながります。
また、装用中止期間中は眼鏡を使用するなどして日常生活に支障が出ないよう準備しておくと良いでしょう。
医師と相談しながら、自分に合ったスケジュールを立てることが大切です。
術後ケア用品を事前に準備する
白内障手術後の回復をスムーズに進めるためには、必要なケア用品を事前に揃えておくことが大切です。
手術後は目がデリケートな状態になるため、
以下のような日常生活で役立つサポートアイテムを準備しておくと良いでしょう。
- 保護眼鏡:ホコリや紫外線から目を守るため、外出時や就寝時に使用
- 清潔なタオル:毎日交換できるよう複数枚用意
- ドライシャンプー:洗髪が難しい期間中に便利
- 使い捨てティッシュ:目元を清潔に保つために使用
また、手術後は点眼薬が処方されるため、点眼のタイミングを管理するためのメモやアラームを設定しておくと便利です。
さらに、家事や買い物などの負担を軽減するため、必要な物品の事前購入もおすすめです。
準備を整えることで、術後の生活がより快適になり、回復もスムーズに進むでしょう。
健康的な生活習慣で体調を整える
白内障手術を安全に受けるためには、手術前から健康的な生活習慣を心がけることが大切です。
体調を整えることで、手術当日にベストな状態で臨めます。
まず、バランスの取れた食事を意識しましょう。
特に、ビタミンやミネラルが豊富な野菜や果物を積極的に摂取すると、体の免疫力を高める効果が期待できます。
また、適度な運動も重要です。
軽いウォーキングやストレッチなど、無理のない範囲で体を動かす習慣をつけましょう。
さらに、十分な睡眠を確保することも忘れないでください。
質の良い睡眠は体の回復力を高め、手術後の回復にも良い影響を与えます。
喫煙や過度な飲酒は控え、体への負担を減らすことも重要です。
白内障手術前の医師との相談

白内障手術を安心して受けるためには、医師との十分な相談が欠かせません。
ここでは、具体的な相談内容についてご紹介します。
自分に合った眼内レンズを選ぶ
白内障手術では、眼内レンズの選択が重要です。
レンズにはいくつかの種類があり、それぞれの特徴を理解して、
自分の生活スタイルや視力のニーズに合ったものを選ぶ必要があります。
- 単焦点レンズ:遠くまたは近くのどちらか一方に焦点を合わせるレンズ
- 多焦点レンズ:遠くも近くも見えるよう設計されたレンズ
単焦点レンズは、費用が比較的抑えられる一方で、遠近両方を見る場合は眼鏡が必要です。
細かい作業や鮮明な視界を求める方に向いています。
一方、多焦点レンズは眼鏡を使わずに生活したい方に適しています。
ただし、費用が高めであり、適応条件がある場合もあります。
これらの情報を踏まえ、自分の希望や日常生活でどのように視力を使うかを医師に具体的に伝えましょう。
例えば、「読書や細かい作業が多い」「運転時に遠くが見えやすいほうがいい」など、
生活スタイルに基づいた相談をすると、自分にぴったりな選択ができます。
医師との十分な話し合いを通じて、自分に合った眼内レンズを見つけましょう。
疑問や不安は遠慮せず相談する
手術に対する疑問や不安は誰でも感じるものです。
「手術は痛みがあるのか」「術後どれくらいで回復するのか」など、気になることは遠慮せず医師に尋ねてみましょう。
医師は患者さんの不安を解消するために丁寧に説明してくれるはずです。
また、持病や服用中の薬について事前に医師に相談しておくと、手術がより適切に行えるよう準備を整えられます。
さらに、手術後の日常生活や注意点についても確認しておくと安心できるでしょう。
白内障手術の手順・流れ

白内障手術は、濁った水晶体を取り除き、人工の眼内レンズを挿入することで視力を改善する治療です。
以下で手術の主な流れを簡単にご説明します。
- 血圧や体温の測定
- 麻酔・消毒
- 角膜を小さく切開
- 濁った水晶体を砕き吸引する
- 眼内レンズ挿入
- 手術終了と帰宅準備
手術時間は約10~20分程度で、日帰りが可能です。
術後は医師の指示に従い、点眼薬や定期検診を継続することで順調な回復が期待できます。
白内障手術当日の注意点

白内障手術は安全性が高い治療ですが、当日には特別な準備や注意が必要です。
ここでは、手術当日に気をつけるべきポイントを3つご紹介します。
アイメイクや香水は控える
白内障手術当日は、目の周りを清潔に保つ必要があるため、アイメイクや香水の使用は控えましょう。
これらは手術時の消毒効果を妨げる可能性があるためです。
特にアイシャドウやマスカラなどは、目の周囲に残留物が付きやすく、感染リスクを高める恐れがあります。
また、香水や乳液などの油分を含む製品も避けてください。
これらは手術時に使用する消毒液と混ざり合い、肌に刺激を与える場合があります。
当日の朝は石鹸で顔を洗い、何もつけない状態での来院がおすすめです。
さらに、マニキュアも外しておきましょう。
手術中に指で血流のモニタリングを行うため、爪が見える状態が望ましいからです。
車の運転は禁止
白内障手術後は視力が安定するまで時間がかかるため、手術直後の車の運転は原則として禁止されています。
術後は治療した目に眼帯や保護眼鏡を装着することが多く、視界が制限されるため安全な運転が難しい状態です。
また、手術直後は目の状態がデリケートであり、疲労や違和感を感じる場合もあるため、
自分で運転することは避けましょう。
帰宅時には公共交通機関を利用するか、ご家族や友人に送迎をお願いするのがおすすめです。
付き添いが難しい場合は、事前に医療機関へ相談しタクシーなどの手配を検討してください。
運転再開のタイミングについては、医師の指示を受けて判断することが重要です。
視力検査や回復状況を確認した上で、安全に運転できる状態になってから始めるようにしましょう。
家族や周囲へのサポート依頼も忘れずに
手術後は片目に眼帯を装着するため視野が狭くなり、日常動作にも不便を感じることがあるため、
ご家族や友人にサポートをお願いすることがおすすめです。
特に帰宅時や翌日の診察への移動などでは付き添いがあると安心です。
また、医師から術後の注意事項や点眼薬の使用方法などの説明を受ける際に、
家族に同席してもらうと、情報を共有しやすくなります。
さらに、手術後は目を使う活動を控える必要があるため、
家事や買い物などの日常生活のサポートを事前に調整しておくと良いでしょう。
特に高齢の方の場合は転倒リスクもあるため、周囲の協力が重要です。
白内障手術後の注意点

白内障手術後は、目の回復をスムーズに進めるためにいくつかの注意が必要です。
ここでは、術後の生活で特に気をつけるべきポイントを解説します。
感染予防:目を押さえたりこすったりしない
手術後の目はデリケートな状態です。
傷口が完全にふさがるまで数日かかるため、無意識に目を触ったりこすったりしないよう注意しましょう。
手やまつげについた雑菌が目に入るのを防ぐことが大切です。
例えば、目がかゆくなったときは清潔なティッシュでそっと押さえる程度にし、こするのは厳禁です。
医師から処方される抗菌点眼薬は、感染リスクを減らすために重要な役割を果たします。
決められた回数とタイミングを守って使用してください。
特に就寝中は無意識に目を触りやすいため、保護眼鏡や眼帯をつけると良いでしょう。
ホコリや紫外線からも目を守ってくれます。
日常生活では、以下のポイントに気をつけましょう。
- 手洗いを頻繁に行い清潔を保つ
- タオルや枕カバーを毎日交換する
- ペットの毛が目に入らないよう注意する
- 花粉やほこりの多い場所では保護眼鏡を着用する
万が一目に違和感を感じた場合も、自己判断で触らずにすぐ医師に相談してください。
これらの対策を続けることで、スムーズな回復が期待できます。
入浴・洗顔:数日間は目に水が入らないよう注意
白内障手術後は、目の回復を妨げないために入浴や洗顔に注意が必要です。
手術翌日から首から下のシャワーは可能ですが、顔に水がかかる行為は避けましょう。
水道水には雑菌が含まれる可能性があり、術後の目に感染リスクを与える恐れがあります。
洗顔やシャンプーは術後5日目以降が目安です。
それまでは濡れたタオルで顔を軽く拭くか、市販のドライシャンプーを使うと便利です。
また、どうしても髪を洗いたい場合は、美容院で目に水が入らないよう配慮してもらうのも一つの方法です。
湯舟につかる入浴も5日目以降が推奨されます。
入浴や洗顔の期間や方法については、必ず医師の指示を確認しながら進めてください。
運動制限:軽い運動は1週間後から
白内障手術後は目の回復を優先し、運動や重いものを持つ作業は避けましょう。
汗には細菌が含まれる可能性があり、感染リスクを高める恐れがあります。
軽い散歩やストレッチなど負担の少ない運動は術後2~3日から可能ですが、
ランニングや筋トレなど負荷の高い運動は1ヶ月後が目安です。
ゴルフやテニスは1ヶ月後から徐々に再開できますが、医師と相談して判断することが重要です。
また、水泳は目に水が入るリスクがあるため1ヶ月ほど控える必要があります。
無理をせず、医師の指示に従いながら少しずつ活動量を増やすようにしましょう。
飲酒・喫煙:術後1週間程度控える
白内障手術後は、目の回復を妨げないために1週間程度は飲酒と喫煙を控えましょう。
アルコールは血流を促進し、術後の傷口に炎症を引き起こす可能性があります。
また、喫煙は目に刺激を与え、回復を遅らせる恐れがあります。
術後の回復期間中はバランスの取れた食事や十分な水分補給を心がけ、体調管理にも気を配りましょう。
1週間経過後も再開する際には適度な量に留め、不安がある場合は医師に相談することが大切です。
まとめ
白内障手術を安心して受けるためには、事前準備が欠かせません。
医師の指示に従った点眼薬の使用や、コンタクトレンズの早めの中止が重要です。
また、術後に必要なケア用品を事前に準備し、健康的な生活習慣で体調を整えると、手術当日にベストな状態で臨めます。
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